髄鞘(ミエリン)を青色に染色するのはどれか。

過去問

75回 A問題 問36

難易度:難

髄鞘(ミエリン)を青色に染色するのはどれか。
  1. ベルリン青染色
  2. フォンタナ・マッソン染色
  3. アルシアン青染色
  4. シュモール反応
  5. ルクソール・ファースト青(LFB)染色

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
ベルリン青染色

3価の鉄(青に変化)を検出するための染色方法です。「ヘモジデリン」が代表的です。

病理学的には、うっ血により肺胞内に染み出した赤血球を貪食した肺胞マクロファージ内の「ヘモジデリン」を検出できます。これを「心臓病細胞」とよびますよね!

ちなみにですが、うっ血が重度で肺胞マクロファージによる貪食が追いつかない場合、このヘモジデリンが肺に沈着し硬化していきます。これを「褐色硬化」といいます。過去に出題されているため、頭に入れておきましょう!

重要度:☆☆☆
フォンタナ・マッソン染色

メラニンを検出するための染色方法です。

重要度:☆☆☆
アルシアン青染色

多糖類を検出するための染色方法です。

重要度:☆☆☆
シュモール反応

こちらもメラニンを検出するための染色方法です。

重要度:☆☆☆
ルクソール・ファースト青(LFB)染色

染色方法 まとめ

膠原線維を染色するには?

膠原線維とは、いわゆるコラーゲンです。膠原線維が赤色になります。

  • アザン染色
  • マッソン・トリクローム染色

弾性線維を染色するには?

弾性線維が紫黒色になります。

  • レゾルシンフクシン染色
  • エラスチカ・フェギーソン染色

細網線維を染色するには?

細網線維が黒色になります。

  • 鍍銀染色(渡辺鍍銀法)

銀染色は、過ヨウ素酸メセナミン”銀”染色(PAM染色)もあります。

線維素を染色するには?

線維素を青藍色に染めます。

  • リンタングステン酸ヘマトキシリン染色(PTAH染色)

HE染色の”H”がヘマトキシリンですよ!

糖類染色(粘液)

基本的に粘液が赤くなりますが、アルシアンブルーだけ例外です。

  • 過ヨウ素酸シッフ染色(PAS染色)
  • アルシアンブルー染色
  • トルイジンブルー染色
    • 異染性(メタクロマジー)を利用

メタクロマジーとは?

結論:本来は色素の色に染まるのが一般的ですよね。一方で酸性多糖類に対してトルイジンブルーを使用すると、青色色素なのに赤色に染まります。この現象をメタクロマジーといいます。

脂肪染色

ズダンⅢ染色はオレンジ色になります。

  • ズダンⅢ染色
  • オイルレッド染色

細胞内顆粒を染色する方法

  • グリメリウス染色
  • フォンタナ・マッソン染色
    • メラニンの染色
  • ドーパ反応
  • ホール法
    • 胆汁を緑に染色
  • シュモール反応
    • リポフスチンを青緑色に染色

無機質染色

  • コッサ法
    • カルシウム(Ca):黒褐色
  • ベルリンブルー染色
    • 鉄(ヘモジデリン):青色
  • ルベアン酸法
    • 銅:黒緑色

微生物染色

  • グラム染色
    • グラム陰性菌:赤色
    • グラム陽性菌:濃青色
  • チルネルゼン染色
    • 抗酸菌
  • グロコット染色
    • 真菌
  • 墨汁染色
    • 真菌(クリプトコッカス)
  • ワーリースターリー染色
    • レプトスピラ

内分泌細胞の検出に使用される染色

  • グリメリウス染色(好銀性染色)
  • フォンタナ・マッソン法
    • メラニンの検出にも

神経組織の染色法

  • ニッスル染色
  • ルクソル・ファストブルー染色
  • ボディアン染色
  • カハール染色

腎糸球体の染色

  • 過ヨウ素酸メセナミン銀染色(PAM染色)

血液細胞の染色

  • ギムザ染色
    • 核:赤紫色

アミロイドの染色

  • コンゴレッド染色

参考

動物病理学総論 第3版 p268 – 270

特殊染色一覧表
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