74回 B問題 問70
難易度:並
牛の尿膜管開存に関する記述として適当なのはどれか。
- 雌に多発する。
- 肝円索が遺残する。
- 臍から尿が滴下する。
- 超音波検査が診断に有用である。
- 治療法はない。
1. a, b 2. a, e 3. b, c 4. c, d 5. d, e
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆☆
雄に多発する。
馬で、かつ雄で多いです。
重要度:☆☆☆
尿膜管が遺残する。
臍静脈 ー 肝円索です。
重要度:☆☆☆
臍から尿が滴下する。
重要度:☆☆☆
超音波検査が診断に有用である。
重要度:☆☆☆
消毒や外科等、治療法はある。
胎児循環
胎児 ↔ 母のやり取り
胎児は特殊な構造を介して母親から必要なものを得て、不要なものを排泄しています。
例えば、栄養や酸素は「臍 静脈」から供給され「肝臓」に一部分岐しながら「大静脈」に合流します。一方で不必要な老廃物は「大動脈」から左右1本ずつ分岐した「臍 動脈」を介して母(胎盤)へ排泄されます。
また胎児の膀胱に溜まった老廃物は「尿膜管」を介して「尿膜腔」へと続きます。
特に大動物(牛や馬)では、
「臍」からおしっこが漏れる「尿膜管遺残症」が有名です。

うしくん
臍動脈なのか静脈なのか、
いっつも分からなくなるんだよね、、、

Nekoyasiki
主役は胎児だよ!
胎児から出るのは「臍動脈」だし、胎児に入ってくるのは「臍静脈」だよね!
胎児循環 | 循環経路 | 遺残物 | 合併症 |
臍 動脈 | 胎児 → 母(胎盤) | 膀胱 円索 | ー |
臍 静脈 | 母(胎盤) → 胎児 | 肝 円索 | ー |
尿膜管 | 胎児(膀胱)→ 尿膜 | 尿膜管 | 尿膜管遺残症 |
胎児内の循環
胎児は外呼吸ができないため、「肺循環」へ血液を回す必要がありません。
血液は「動脈管」や「卵円孔」によって「右心系」→「左心系」へと移動し、「体循環」へ多くの血液を供給されます。
胎児循環 | 循環経路 | 遺残物 | 合併症 |
動脈管 | 肺動脈 → 大動脈 | 動脈管 索 | 動脈管開存症 |
卵円孔 | 右心房 → 左心房 | 卵円窩 | 卵円孔開存症 or 心房中隔欠損 |