74回 B問題 問52
難易度:易
犬の喉頭麻痺に関する記述として適切なのはどれか。
- 吸気時に喘鳴音がみられる。
- 副腎皮質機能亢進症に続発することが多い。
- 短頭種で好発する。
- 鎮咳薬により臨床徴候が改善する。
- 軟口蓋切除術で治療する。
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆☆
吸気時に喘鳴音がみられる。
反回神経の障害で、喉頭が麻痺します。
吸気時に気管は陰圧になるため、圧較差により軟骨が引っ張られて気道を閉塞し喘鳴音が生じます。
重要度:☆副腎皮質機能亢進症に続発することが多い。
副腎皮質機能亢進症により、
肺に血栓ができやすくなるようです。
重要度:☆☆☆短頭種で好発する。
喉頭虚脱の説明です。
重要度:☆☆
鎮咳薬により臨床徴候が改善しない。
器質的な変化かつ、物理学的な原因なので、
薬物で改善することはできません。
まずは、動物を安定化させ呼吸数を下げるのが良いと考えています。
重要度:☆☆軟口蓋切除術で治療する。
短頭種気道症候群の説明です。
馬の閉塞性気道疾患には何がある?
結論:馬の「喉頭片麻痺」と「軟口蓋背側変位(DDSP)」を覚えましょう!
喉頭片麻痺は、片側(左側)の”反回神経”の異常により披裂軟骨の小角突起が内側に変位することで吸気と呼気時に喘鳴が起こります。外科的に喉頭形成術(作り直す)が必要になります。
一方で「軟口蓋背側変位」は、強い運動負荷を与えた際の”呼気時”にみられる喘鳴が特徴です。
いずれにしても鼻からの内視鏡検査で確定診断が可能です。
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喉頭の解剖学を理解しよう!
喉頭虚脱は、喉頭の軟骨が変形し気道を閉塞します。