73回 A問題 問53
難易度:並
犬の第VIII因子欠損症に関する記述として最も適当なのはどれか。
- 主に雌で発症する。
- 血小板数が増加する。
- プロトロンビン時間(PT)が延長する。
- 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長する。
- 血中フィブリノーゲン濃度が低下する。
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆☆
主に雄で発症する。
発症するのは「雄♂」です。
重要度:☆☆
血小板数が増加しない。
重要度:☆☆
プロトロンビン時間(PT)が延長しない。
外因系の凝固因子が欠乏すると上昇してきます。
重要度:☆☆
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長する。
重要度:☆☆
血中フィブリノーゲン濃度が変化しない。
解説
凝固系は以下のようになっています。
本問は、第Ⅷ因子欠損症(血友病A)に関する問題です。選択肢を見れば分かるように、第Ⅸ因子欠損症(血友病B)との鑑別が重要になってきます。
内因系は「Ⅻ因子」「Ⅺ因子」「Ⅸ因子」「Ⅷ因子」の4つが関わっています。Ⅷ因子からA,P,T,Tとあてがっていくと丁度一つずつ当てはまります。これには2つの意味があります。
①内因系のどれかが欠損するとAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)が上昇すること。
②Ⅷ因子を先天的に欠損している→「血友病A」また、Ⅸ因子を先天的に欠損している→「血友病B(PとBって形似てるよね)」
一方で外因系は「Ⅲ因子」と「Ⅶ因子」が関わっています。同じようにⅢ因子からP,Tとあてがっていくと丁度ひとつずつ当てはまります。要するに、外因系の凝固因子のいずれかを欠損するとPT(プロトロンビン時間)が上昇することになります。