73回 A問題 問41
難易度:易
- 甲状腺ホルモン
- プロラクチン
- インスリン様成長因子 1(IGF-1)
- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
- インスリン
選択肢を吟味しよう!
重要度:☆
甲状腺ホルモン
「T4」「TSH」を測定することにより「甲状腺機能亢進症」や「甲状腺機能低下症」を仮診断できます。
T4の上昇すれば「甲状腺機能亢進症」、
T4が低下していれば「甲状腺機能低下症」の可能性が高いのは誰もが知っている事実ですが、「TSH」の挙動を理解しているでしょうか?
T4の分泌を促すのが「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」です。
「T4」の分泌能が低下した場合は、
TSHの分泌量を増やすことで「T4」濃度を正常に保とうとします。
偽甲状腺機能低下症とは?
結論:甲状腺機能低下症との鑑別で最も重要な疾患です。この病気は、背景になんらかの疾患を抱えていた場合に甲状腺ホルモンが低下してしまう病気で甲状腺自体は正常です。そのことから、甲状腺機能正常症候群(Euthyroid sick syndrome)と呼ばれたりもします
単に血液検査で診断!安心!ではなく、身体症状・他の病気の検索に進む等総合的に診断していく必要があります。甲状腺は悪くないのにその薬を飲ませられるなんていう悲劇は避けたいね。
重要度:☆
プロラクチン
臨床で見かけたことは一回もありませんが、、、
重要度:☆
インスリン様成長因子 1(IGF-1)
正解です。
重要度:☆
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
「副腎皮質機能亢進症」と「副腎皮質機能低下症」を鑑別するための検査項目です。いわゆる「ACTH刺激試験」で上記疾患を疑ったときの一番はじめの検査項目ですね。
「ACTH刺激試験」にて、pre(刺激前数値)が高かった場合は「医原性甲状腺機能亢進症」を疑う必要があります。カルテを遡ってステロイドの内服が処方されていないか確認しましょう!単にストレスでコルチゾールが高くなっている場合もありますね。
さて、post(刺激後数値)が低かった場合は「副腎皮質機能低下症」が疑われます。
一方で、高かった場合は「副腎皮質機能亢進症」を疑います。
「副腎皮質機能亢進症」には「下垂体性(PDH)」と「原発性(ADH)」があります。鑑別に用いられる「HDDST」では、高用量のデキサメタゾンで下垂体を強制的に抑制していきます(高用量だと腫瘍化してようが抑制できます)。これで、コルチゾール値が正常であれば、PDH、下垂体を抑制しても高値を示す場合はADHとなります。
超音波にて、副腎を観察することも重要です。
一般的に、片副腎のみの腫大の場合は「ADH(副腎原発)」。
両方の副腎の腫大の場合は、過剰なACTHに両方の副腎が反応性に腫大しているため「PDH(下垂体)」を疑います。
重要度:☆
インスリン
検査項目というより糖尿病の治療薬です。
猫の先端巨大症
病名からは想像できませんが、下垂体の腫瘍により「成長ホルモン」が過剰に分泌されてることにより発症します。
厄介なのは、成長ホルモンはインスリン抵抗性を持っているため「糖尿病」を引き起こすという特徴があります。猫の糖尿病を見つけたら、「IGF-1」は測定しておきたい項目の一つです。
治療法としては、MRIにて腫瘍のサイズや立体構造を理解し、外科手術や放射線治療が挙げられます。近年内服治療によるドーパミン作動薬「カベルゴリン」が注目されています。将来的に外科手術しなくても治療できるようになればいいね!