犬の乳腺腫瘍に関する記述として最も適切なのはどれか。

過去問

72回 B問題 問61

難易度:易

犬の乳腺腫瘍に関する記述として最も適切なのはどれか。
  1. 体壁の筋肉にしばしば浸潤する。
  2. 頭側の乳腺に多発し、尾側ではまれである。
  3. 初回発情前の避妊手術によって発生率が低下する。
  4. 乳腺の両側全摘出が治療の第一選択である。
  5. 腫瘍の大きさは予後に関連しない。

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆☆
体壁の筋肉にしばしば浸潤しない

犬の「乳腺腫瘍」は良性が多いため、筋肉内には浸潤しにくいでしょう。

一方猫の乳腺腫瘍は悪性腫瘍が多いので注意が必要です。

重要度:☆☆☆
尾側の乳腺に多発し、頭側ではまれである。

尾側で多発します。
経験上、やっぱりそうでした。

重要度:☆☆☆
初回発情前の避妊手術によって発生率が低下する。

重要度:☆☆☆
乳腺の片側一列摘出が治療の第一選択である。

乳腺の両側全摘出は組織侵襲が大きいですから、第一選択にはなりません。

犬では一般的に5対の乳腺があり、
その全てが腫瘍化するわけではないため、片側一列摘出が一般的に行われます。

重要度:☆☆☆
腫瘍の大きさは予後に関連する

腫瘍の大きさは予後に関連すると言われています。

解説

「乳腺腫瘍」は、犬で最も多い良性腫瘍です。

下記の選択肢を吟味すれば十分ですが、
この腫瘍で他に重要なのは「リンパ節郭清」という作業が必要な場合があるということです。

リンパ節郭清とは、
腫瘍化した組織の領域リンパ節を腫瘍と共に切除することを言います。

頭側の乳腺は「腋窩リンパ節」、
尾側の乳腺は「鼠径リンパ節」がその領域リンパ節になっているようです。

そのため、例えば尾側の乳腺腫瘍のとき、鼠径リンパ節に転移が生じている可能性があるため腫瘍の摘出だけでなく鼠径リンパ節の郭清も考慮に入れようといった感じです。

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