細菌がDNAを取り込んで表現型を変化させることを何というか。

過去問

71回 A問題 問57

難易度:並

細菌がDNAを取り込んで表現型を変化させることを何というか。
  1. 形質導入
  2. 形質転換
  3. 相変異
  4. 遺伝子挿入
  5. 偶発変異

選択肢を吟味しよう!

重要度:☆☆
形質導入

ファージによって感染された細菌が変化することです。
新しい形質をファージが運んでくるのです。

重要度:☆☆
形質転換

細菌に直接DNAが入り込み、細菌自らが変わることです。

Transformation といって、
大腸菌に遺伝子を挿入して目的のタンパク質を生み出したり、
新たな薬剤耐性をもたせたりと、

研究で多く使われています。

「形質導入」と「形質転換」はいずれも、
外来DNAによって細菌の形質が変化することをいいます。

要はファージ媒介なのかどうかってのが、使い分けるポイントです。

重要度:☆☆
相変異

限られた複数の異なる形質が、
一定の頻度で発現される現象をいいます。

全く別の形質が出現せず、
変異頻度も少なくとも突然変異の100倍以上高いという2つの点で突然変異と異なっています。

相変異は「サルモネラ菌の鞭毛」「大腸菌の線毛」が有名です。

重要度:☆☆
遺伝子挿入

重要度:☆☆
偶発変異

偶然の結果、
遺伝子に変異が生じることを「偶発変異」といいます。

偶発変異のうち、たった1塩基の変化によって起こる点変異が重要です。
もちろん複数の塩基が変異する場合もあります。

1塩基の変化パターンには以下3つがあります。

  • 置換 → 1塩基が別の塩基に置き換わる。
  • 欠失 → 1塩基がなくなる。
  • 挿入 → 1塩基が加わる。

特に「置換」による点変異には、以下のような種類があります。

  • サイレント変異
    • 塩基が変異するが同じアミノ酸に翻訳される。結果として表現型には影響しない。
  • ミスセンス変異
    • 1塩基が変異することで、異なるアミノ酸に翻訳される。たった1個のアミノ酸が変化するっていう印象。
  • ナンセンス変異
    • 1塩基が変異することで、終止コドンとなる。本来100個くらいのアミノ酸が翻訳されるはずが、20個で終わっちゃいましたっていうヤバさ。

さらに「欠失」「挿入」があると、
その点から1つずつズレて、その後のアミノ酸翻訳すべてに影響があります。

これを「フレームシフト変異」といいます。

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